アンケート結果
先日、レッスン生の保護者の皆さまに、お子さまの「1日のピアノ練習時間と1週間の練習日数アンケート」にお答えいただきました。今回はアンケートの結果と、エビングハウスの忘却曲線のお話を交えてお話したいと思います。
(保護者の皆様、お忙しい中アンケート投票ありがとうございました!)
今後のレッスンの参考に、またご家庭での練習や見直し改善の参考にしていただけたらと思います。
【集計結果】
1日の練習時間
10分〜20分 55%
20分〜30分 18%
5分〜10分 9%
30分〜40分 9%
50分〜60分 9%
1週間の練習日数
週3日〜5日 40%
週3回以下 30%
毎日 20%
週1日 10%
1日の練習時間で一番回答率が高かったのは10分~20分でした。
また1週間の練習日数では週3日~5日が最も多く、毎日練習しているお子さんは
全体の20%にとどまっています。
生徒さんそれぞれの目標は異なりますので
参考になるかどうかわかりませんが、
毎日練習、そして平均練習時間30分が
趣味のレベルでのピアノ上達には理想ですね♪
コンクール上位入賞や音楽大学を目指すとなると
別格の世界になってきます。
また定期的にアンケートを行いながら
生徒さんや保護者の皆様と
普段の練習の振り返りができればと思います。
◎エビングハウスの忘却曲線
ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスの発表した
「エビングハウスの忘却曲線」はご存じの方も多いと思います。
ピアノ練習もこれと同じで、毎日少しずつの積み重ねが知識や技量の定着につながります。
この表は時間と共に、どれだけ記憶したことが頭に残っているかを示しています。
- 20分後には42%忘れる
- 1時間後には56%忘れる
- 9時間後には64%忘れる
- 1日後には67%忘れる
- 2日後には72%忘れる
- 6日後には75%忘れる
- 31日後には79%忘れる
ということが分かります。
当たり前のことですが、
一度目の学習より二度目以降の学習の方が簡単になる
復習を重ねるごとに忘れにくくなります。
レッスンでも、以前学習したリズム課題や音読み、楽典などを
何度も繰り返し確認しているのはそのためです。
また、人間は一度にたくさん学ぶよりも、
時間をかけて何度かに分けて学んだ方が、
学習効率は上がります。
そして、記憶にも残りやすいです。
さて、ここからがポイント
◎学習効率について
どのようにピアノ練習をしたら学習効率が上がるか
カナダのウォータールー大学の研究結果を参考にお話したいと思います。
まずレッスンで勉強をし、ピアノを弾くための知識を得ました。
この時点では記憶は100%のところに上がります。
でも、そのまま復習せずにいると、
黒い線のようにどんどんと忘れてしまいます。
これは先ほどエビングハウスの忘却曲線で学んだことです。
◎知識を記憶させるには
ではどう復習したら知識をしっかりと記憶させられるか?
それは上の図の黄色い線を見てみてください。
まず、学習した後24時間以内に10分間の復習をすると、
記憶率は100%に戻ります。
ということは、
レッスンが終わったその日のうちにピアノ練習をして、
次の日も練習するとレッスンを受けたときと
同じ100%に戻るということです。
さらにその後も毎日練習すると、
次のレッスン日まで常に100%の状態をキープしていることになります。
100%をキープした状態で次の回のレッスンを受けているお子さんは、ベースが100%の状態から新しいことを学びますので
必然的にレベルが上がります
さらに、私の教室はLINEで毎日添削指導をしていますので、
毎日添削指導を受けているお子さんは、
その都度知識やテクニックを更新しながら、
日々いい練習を積み重ねて
次のレッスン時点では土台が
通常の倍の位置からスタートということになります。
仮に、週に1回10分練習していた場合、
前回のレッスンから10%元に戻った状態ということです。
また、週に1回の練習時間は60分という場合、
一見たくさんピアノを弾いているように感じますが
週2日の練習だとすると、レッスン直後の100%に戻るわけではなく、
30%くらいしか元に戻らないということです。
結論を言うと1回60分を週に2回行うよりも、
毎日10分練習する方が確実に上達する、
ということがこエビングハウスの忘却曲線の実験結果で
可視化されてよくわかりますね。
いかがでしたでしょうか。
こんな話をしている自分も実は物忘れがひどく、
記憶力も決していいとは言えません。
けれど、どれだけ長い曲であっても
1時間以上の曲でも記憶して演奏することが
できるのは自分でもとてもフシギです(笑)
ここに音楽の力を感じずにはいられません。
人間の脳はたくさんのことを覚えることが苦手です。
子どもも大人もそれは同じ。
人は忘れる生き物なのです。
でも忘れない工夫をすることはできます。
学んだ事を確実に自分の知識にして役立てていく、
本人が自覚して意識することからすべてが変わります。
成長していくためには
自ら行動する意識を持つと自然と成長します。
「気づき」によって人は成長します。
今回のアンケート結果をふまえ、
各ご家庭でピアノだけでなく、普段の生活練習スタイルを見直してみる
新たな気づきがあれば嬉しく思います♬
最後までお読みいただきありがとうございました。
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